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2005年08月15日

icon空を見上げる


 八月の十五日になると、色々なことを思い出す。思い出させられるのが半分、思い出さずにはいられないのが半分。新聞を読んでも、テレビを眺めても、あれこれと触れられている。そういう報道を見て、日本の至る所で多くの人が様々な想いを巡らすことだろう。私のような年寄りは当然として、若い人たちだって、何かしら感じる筈である。感じてもらいたい。
 みんながみんなそう思うとは限らないかもしれないけれど、やはり、戦争というものはひたすら恐ろしく、ひたすら悲惨なものであり、決して繰り返してはいけないものなのである。このことを次の世代へ、次の次の世代へ、と伝えていかなければいけない。

 元来、私は記憶力が良い方ではない。しかも、年々、頭の中がこんがらがってしまうので、自分でももやもやするばかりで訳が判らないことがたくさんある。しかし、そんな私でも、しっかりと覚えているものがいくつかある。空から焼夷弾がずんずん降ってくる光景。そして、終戦後、米国軍人を初めて間近に見た時の恐怖。焼け野原を眼前にして、半ば呆然とし、半ば昂揚している自分。そんなことどもは、そりゃもう、忘れようがない。忘れようがないどころか、頭の中でどんどん増幅して、実際に見たときよりも強烈なものになってしまっているのではないか、とさえ思う。ああ、やっぱり、私の頭の中はごちゃごちゃの出鱈目なのかもしれない。何が本当のことなのか、よく判らなくなる。

 空を見上げますな。すると、青空が広がっている。この空を見上げている限りでは、ああ、今日は静かで平和な一日であるなあ、と思えるのである。しかしですよ、俄に雲がもくもくと押し寄せて、雷雨が始まることだってあるのである。事実、本日も三時頃だったか、そんな風でありました。随分激しい降りだった。それにしたって、雨なら多少の我慢をすれば済む。けれども、この長閑な青空に突如としてB29がたくさんたくさん姿を現わし、焼夷弾を雨霰と降らせたらどうしますか。どうにかしよう、どうにかしなければいけない、と思うけれど、結局、どたばたするばかりでどうにも出来ないのであります。そんなものなのである。もう戦争をしてはいけません。どんな理由があっても絶対にいけませんよ。

 夏の空 俄に曇り 降りに降る

投稿者 nasuhiko : 2005年08月15日 17:30

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