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2005年07月16日

iconテレビと過ごした半日


 蒸し蒸しと暑い中、水遣りをしたり、ちょこちょこと雑草と思しきものを抜いたりしたけれど、もうどうにも暑くて暑くて、早々に引き上げて、部屋の中で扇風機の風を浴びながらぐったりするばかり。畳の上を転げながら、ぼんやりテレビを見ていると、よく見掛ける太った若者が青梅の案内をしている。いつもにこにこしていて、気持ち良く飲み食いするので、彼のことは嫌いではない。中々良い青年ですな。青梅のあれこれを紹介するうちに、澤乃井の小澤酒造が経営しているという「ままごとや」というお店が映る。涼やかな奴も良いのだけれど、厚からず薄からずといった具合の肉が炙られているのも良い。気の利いたコースを出しているようである。あんなに美味い酒を造るんだから、水が良いに決まっている。水が良ければ、それだけで料理なんざどんどん美味くなるに違いない。そして、また、あの太っちょが美味そうに食すものだから、画面を見ていて羨ましくて仕方がない。そうこうするうちに、夏に限定の吟醸酒なるものが出てきた。薄緑の白っぽいような瓶に薄緑の涼しげな文字でしたかね。いやあ、呑みっぷりが良いから、益々美味そうに見える。あれは良いね。早速、酒屋に尋ねてみよう。あの店に限定品なんてえものが揃えてあるかしら。
 そんなのを眺めていたら、こちらも一杯やらない訳にはいかないてんで、早速、始めましたよ。青梅の紹介は意外とすぐに終わってしまって、少々拍子抜けでしたけれど、まあ、此方人等、呑み始めてしまったものは止まらない。どのチャンネルもぱっとしないね、なんてことを呟きながら、堪え性なく、リモコンでチャンネルをがしゃがしゃしているうちに、『母のいない大家族』という番組に出会した。陰気な話は厭ですよ、と思いながらも、引き込まれる。嗚呼、これが、思いもかけず、私の心を激しく打ちのめしたのであります。正直に申せば、私は猛烈に泣きましたよ。こんなに良い子はいませんよ。今時珍しい、なんていうようなことではなく、古今東西探しても、この、あざみちゃんみたような良い子はいないに違いない。勿論、弟妹達だって立派なものである。けれども、やはり、あざみちゃんというお嬢さんは本当に素晴らしい女性であります。この老い耄れは七十年以上も生きてきて、未だにこんなような情けない代物なのに、彼女ときたら、十六歳であのように凛々しく美しく、しかも、達観している。諦めているのではなく、前に、未来に向いている。酔っ払っていたせいもあり、細かいところに関しては事情がよく判らないけれども、兎にも角にも、あざみ嬢の素晴らしさは本当の本物でありますよ。思い出すと、また涙が溢れてくるので止めますけれど、嗚呼、十六歳の少女の健気な姿に、私ももう少しあれこれと頑張って生きようと勇気づけられました。あざみ嬢に、幸多かれ、と祈らずにはいられません。いや、彼女なら、こんなじじいの祈りなどなくとも、立派に生き抜くに違いありませんとも。大丈夫です。

投稿者 nasuhiko : 2005年07月16日 18:14

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