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2005年07月14日

icon自然の回帰


 小庭に出る。乾燥している訳ではないので水撒きは不要であるけれど、順にあれこれと眺める訳である。一番端っこまで来たところで、昨日の、家守くんの亡骸に到達する。ちょいと胸元にわさわさと黒っぽくなっている。きっと蟻が集っているのだろう。そうやって、自然世界は循環していくものなのであろう、などと思う。そして、どれどれ、もう少し間近に観察しようと、腰を下ろしたところで、仰天した。蟻ではないのである。何たることか、群がっているのは団子虫の一団。彼此十匹以上はいる。家守公の喉から胸に掛けて、ざわざわと団子虫が大小取り混ぜて犇めいている。ううむ。些か不気味である。これが蟻だったら、不気味でないのか、と問われれば、どうでしょうな、やはり、蟻であっても不気味であろうか。よく判らない。
 しかし、何故、この老い耄れは、この有り様にびっくりしたのか、と、考えると、理由は全く判然としない。予想を裏切る事態だったからだろうか。ううむ。今まで、団子虫てえものは、何というのか、地面の中の微生物か何かを食しているのだろうか、というような、大雑把な理解しかしていなかったし、そもそも興味を持っていなかったので、彼らの生活の何くれに関しては無知なのであります。セニョール・ハバネロの根元辺りにたくさん集まっていた姿を見かけた時には、もしかしたら、この団子虫連中が葉っぱを齧っているのではあるまいか、と、一瞬、疑ってみたりもしたけれど、まあ、団子虫てえものは、高いところをうろうろするよりは、寧ろ、地面の中でも石の裏とかね、そんな処を栖にしている生き物であるから、葉っぱを齧るなんてことはあるまい、と、思って無視しておりました。結果的には、それは間違いではなかったのかもしれませんな。団子虫が肉食だったとは思いもよらなかった。では、彼らは普段は何を食しているのだろう。石ころの裏なんぞに屯しているところから考えるに、蛞蝓や蚯蚓なんぞを獲物にしているのだろうか。

 朽ちて土に戻るのでもなく、蟻に齧られ分解されるのでもなかったけれど、孰れにせよ、家守くんは自然界の循環の一員として生を全うしたのであるからして、嘆き悲しむよりも、寧ろ、祝われるべきような事柄であるのやもしれぬ。そう思い込みたいじじいである。本日も、『フォーレのレクイエム』を大きな大きな音で聴きますよ。

投稿者 nasuhiko : 2005年07月14日 17:43

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