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2005年06月11日

iconパン焼き器


 はっきりしない天気がもう一ヶ月かそこら続くのだろうなあ、と思うと、それだけで、うんざりげんなり、嗚呼、厭な心持ちだ。しかし、この梅雨の水の恵み無かりせば、この国に生きとし生ける物は枯渇してしまうのだろう。緑の草木も、虫たちも、勿論、私たち動物も、ね。寧ろ、雨には感謝せねばならぬぐらいだ、と思い込もうとする。けれど、難しい。
 昨日、どたばたと箒で家中を引っかき回しているうちに、放ったらかしになっていた、パン焼き器を発見した。マリが亡くなってから、何とはなしに、次第にパン食生活とは疎遠になって、近頃では蕎麦や豆腐を主食のようにしている。そのせいで、どうということのない草臥れたこの器具が妙に懐かしく思える。少しく磨き上げてやったけれど、少しも新しく見えませんな。まあ、事実、古いものなのだからしょうがない。きちんと動くだろうか、と、コンセントにさしてスウィッチを入れてみたら、むううん、というような音をして赤くなりだした。まあ、こんなものは、電熱線に電気を流しているだけのようなものだろうから、そうそう壊れるものではない。こうなると、急にパンを食べたくなるのだから、私てえ人間は単純にできてますな。

 ぼんやりと生暖かくじめじめした空気の中、のこのこと近所まで買い物に出ましたよ。豆腐やら納豆やら蒲鉾やらといった、毎度馴染みのもの。獅子唐に大蒜、玉葱なんぞ。そして、そして、食パンとバターとジャムと。ふふふ。今晩はパンを喰うのであります。懐かしいですなあ。はは、いつの間にか、機嫌が良くなっている。何とも、単純な老い耄れであります。

投稿者 nasuhiko : 2005年06月11日 20:43

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