« 小さい歌 | ホーム | ぼんやり »

2005年06月08日

iconヒラリー・ハーン


 さらりと笊を啜ってのんびりとしていたら、玄関で呼ばわる声がする。出ていってみると、女性が立っており、届け物だという。御苦労なことである。判子を渡そうとしたら、判子は結構です、とのこと。アマゾンと書かれている。ははぁ、もう届いたのかい。凄い世の中だね。ヒラリー・ハーンの『ブラームス/ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲』である。晩のテレビを見て感激し、翌朝、インターネットで探して注文する。そして、翌々日には手元に届く。何とも便利な世の中ではありませんか。これも、私のようなぽんこつをインターネットの海に乗り出させてくれた、『日和見』の女将や師匠連のお蔭である。感謝の気持ちを新たにしなくてはいけない。
 繰り返し、轟音で聴いている。これが良いのである。何とも結構。表紙の青色の背景に、肌の色も白いというより蒼いという感じで、このアルバムを見事に象徴していると感心する。素人じじいに出しゃばり口を利かせてもらうならば、こう、何というのか、この音楽はかっかっかっかっと燃え上がる炎というよりは、凍った水面が月の明りに照らし出される輝きとでも申すのか、兎に角、冷たく輝いている音楽なのである。……何だい、この気取った物謂いは。全く以て、厭らしいじじいだよ。
 素晴らしいですなあ。殊にストラヴィンスキーの協奏曲が宜しい。こんな温みのある、叙情的な作品もあったのですなあ。無知というのは恐ろしいものである。ストラヴィンスキーというのは、何となく、もっと、どがしゃかと騒々しく、金属バットで鉄の階段を叩くようなものだとばかり思い込んでいた。

 梅雨間近
  月夜に蒼き
   ヒラリー・ハーン

 少々湿り気味の夜の空気の中、どこまでも透明に響き渡るヒラちゃんの音。嗚呼、もうこんな時間か。これはいくら何でも近所迷惑ですか。

投稿者 nasuhiko : 2005年06月08日 22:01

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://bokenasu.net/mt/mt-tb.cgi/206

コメント

コメントしてください




保存しますか?