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2005年05月12日

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 ハバネロに水遣りをしながら、無駄なことを考える。尤も、私の場合は、年がら年中無駄なことばかりを考えているわけなので、水遣りをする時ばかりに限ったことではない。例えば、こんな具合。ハバネロって名前はハバネラと似ているなあ。ハバネラってのは、カルメンですよ。ということは、スペインかね。ぎらぎらと照りつける太陽。でも、もっともっと暑い暑い地域の方が辛い辛い唐辛子が育ちそうですな。スペイン語圏なんだろうかね。するってえと、南米か……などと、どうにも解決しそうにない、そして、万が一、解決したからといって何にもならないような、正に、愚にも付かない無駄の中の無駄をぼんやりと考えるているてえ有り様。
 大師匠からの大事な大事な預かり物である、セニョール・ハバネロを枯らしたりする訳にはいかない。当然のことながら、この小庭の中でも、特別待遇である。水遣りを欠かさぬばかりか、周囲に雑草など顔を出そうものなら、直ちに引き抜き……というところで、少々、心の中がむずむずするのであるけれど、まあ、引き抜く。引き抜かねばならぬ。だが、しかし、これは本当に雑草なのだろうか。仮に、雑草だとして、何故、私は其れを殺生せねばならぬのか。ううむ。頭が痛くなってきた。老い耄れた脳みそをきりきり無理矢理絞るものだから、また智慧熱みたようなものが出てきそうである。ああ、突然、関係ないことを思い出した。谷川さんなら、こんな時には「ぴゅろんだよぉ、君ぃ。ぴゅろん、ぴゅろーん。さあ、いいから、呑もうじゃないか」などと声高に述べ、破顔。そして、巷に繰り出して一献というところだろう。そのぴゅろんてえ合言葉が何なのか、未だに判らない。未だに判らないのだけれど、先方は帝大の文科哲学を出ている、頭脳明晰博覧強記の人物であり、学校を出て右も左も判らない私の如き者を雇い入れてくれた社長様であり、世に言う奇人ではあるものの、公私に渡って何くれとなく面倒を見て頂いた方である。何か私如きには計り知れない意味があるのだろうとは思う。余りにも頻々とその言葉を耳にしていたものだから、自分でも、思考が行き詰まった時には、ここは一つ、ぴゅろんだな、などと、訳も判らず呟いたりしていたものである。仕事を辞めて何年にもなるのに、今でも、件の台詞を思い出して呟いたりして。谷川さんはお元気だろうか。あの人のことだから、相変わらず、何処からやって来て何処へ行くのか判らない、謎の活力に満ち溢れ、今日は東へ明日は西へと飛び回っているかもしれない。しかしながら、よくよく考えれば、既に齢八十を超えていらっしゃる筈であるから、少しは腰を落ち着けて居られますかねえ。
 ところで、私は何をぴゅろんしようと決め込んだのだったか。ああ、雑草問題である。やはり、こういう時はぴゅろんして、澤乃井なんだろうね。

投稿者 nasuhiko : 2005年05月12日 19:47

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