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2005年04月29日

iconマリの庭


 涼しいうちに、と、朝から庭いじり。庭いじりと言ったって、陸な知識がある訳ではない。しかも、同じ姿勢で長く座っていると、腰と膝がすぐに痛み出してしまうので、ちょいと腰掛け草毟り、どっこいしょ、と立ち上がって、腰に手を当て伸びをして、一休み。またちょいと腰掛けて……といった具合であるからして、捗らないこと甚だしい。まあ、然して広い庭ではない訳だし、其れ程の情熱がある訳でもなし、この程度の、のろくさとろくさした仕事振りで丁度良いのである。
 私の庭仕事の中心は、雑草取りにある。雑草取りなんざ、他愛ないことさね、とお思いになられる方も少なくなかろう。けれども、これが私にはなかなかの難事業なのである。というのも、知識が大幅に不足しているのがいけない。そもそも、マリの遺した気持ちを何とか繋いでいこうと思って始めたこと、当然、あれこれの流儀もマリ式にしていこうと思うのだけれど、これがね、意外に難しい。彼女が庭いじりをしているのをもっとよく観察しておくべきだった。いやいや、観察などではなく、彼女の庭いじりを手伝ってあげれば良かったのに、と、如何にも後の祭り。世に言う、後悔先に立たず。そうしていれば、私の現在の知識がもそっと増しであったに違いない、ということよりも何よりも、横に並んで二人で一緒に庭に向かっていたら、彼女がどれ程喜んだろうか、と思う。彼女の喜ぶ顔が容易に思い浮かべられるだけに、そうしなかった我が身が口惜しく、申し訳なく、実に残念に思う気持ちで一杯である。けれども、彼女が亡くなっていなければ、今でもこんな心境にはなっていないかもしれない、とも思う。そういう意味では、私を遺してとっとと逝ってしまったマリが悪いのだ、などと、逆恨みも甚だしい。孝行したい時に親はなし、という諺があるけれど、私の場合、孝行したい時に妻はなし、というところである。まさか、彼女の方が先に亡くなるなんて思いもよらなかったですからなあ。今頃になって、大きに後悔している莫迦な老い耄れであります。

投稿者 nasuhiko : 2005年04月29日 15:32

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