2005年04月23日
とうとう
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今朝も早くから起き出して、秘密兵器を脇に置き、鶯の登場を待った。待ったのである。待ったのであるけれど、現れなかった。むむむ、とうとう彼奴は去ってしまったのであろうか。そうでしょうな。そもそも、こんな春が深まっても里をうろうろしている方が変わり者なのであって、鶯と言えば、もっと春浅き時期のもの。梅に鴬なぞという物言いがあるぐらいでね。そうは思うものの、結局、録音に成功したのはあの一度きりであり、些か残念である。けれども、そういうものなのだ。そういうものなのであるよ。この国にはきりっとした四季があるのであって、それが果無さを尊んだり、時の移ろいを味わったりする心を、私らに与えてくれるのである。そう考えれば、鶯が町を去り、山に帰ったことは有り難いぐらいである。録音できたのできないだのと、みみっちいことで愚痴を溢すなんざ、全く以てみともない。そこへ直れ、貴様の如き、女々しい者は日本男児の風上には置けぬ、一刀両断にしてくりょう……と、こんな乱暴なことまで考える必要はない。それに、女々しいだなんてことを言っては、男女同権の御時世では叱られてしまいましょう。まあ、兎にも角にも、鶯くんが無事に山に帰り、また、来春、この界隈を訪うてくれることを祈念して、乾杯しようではないか。
それにしても、天気が良いと、酒が美味い。寒い時期にきゅうっとやる酒も良いし、暑い時期のぴしゃりと冷えた酒も良い。けれども、この春のほんわかのんびりした風の中、ゆるゆると呑む酒は格別である。この世に四季があるのは有り難いし、清酒があるのも有り難い。風が吹くのも有り難いし、ぬくぬくと陽が射すのも有り難い。鶯の声が一度だけとはいえ録音できて有り難い。澤乃井に揺られて良い心持ちになてきたお蔭で、あれやこれやに、素直に感謝の気持ちを抱ける老い耄れである。
そうそう、今日はツピツピツピツピーという鳴き声が録れましたよ。あれは四十雀だろうかね。それと、ヘリコプター。まあ、こいつには季節もへったくれもないし、風情の欠片もないけれどね。物の序でに録ってみた次第。普通に聞いても騒々しいが、マックの中でも騒々しい。味が悪いね、ヘリコプターてえやつは。
鶯と暫しの別れに 祝い酒
山の栖に 無事に帰れよ
投稿者 nasuhiko : 2005年04月23日 18:08
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