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2005年04月22日

iconぱっとしない


 天気優れず。鶯の声も、今日は全く聞かれない。なあに、鶯ばかりが鳥じゃあるまいし、と、秘密兵器を持って、表に出る。風が強く冷たいのに些か驚く。長閑な春の温もりに慣れてしまったせいか、身に滲みる寒さである。天気予報では晴れだと伝えていたのだが、雨雲も集まり始めている。時々、晴れ間も覘きますがね。突然、ぱらぱらと降ってきたと思ったら、すぐに止んだり。何だか纏まりのない空模様である。のろくさ歩いていたら、宇宙人面した猫が広場の隅でごそごそやっておる。やあ、だの、君、だのと声をかけても、まるで耳に入らぬ様子。
 少しく散策するけれど、こんな時には鳥たちも気がすうっとしないのだろう。聞こえてくるのは、高きを舞う鴉のかあかあいう声ばかり。録音すべきものが見当たらない。いやいや、聞き当たらない。雲間から漏れ出ずる光では少々暗く、写真を撮る気にもなれない。考えてみれば、こんなじじいが赤い録音機や青いカメラを手にして、下駄履きで近所をうろうろする図なんざ、妙でしょうな。まあ、極々御近所の皆さんは慣れておるだろうけれども、見知らぬ人が見たらびっくりするかもしれない。モダンなじいさんだね、と。いやいや、そんな訳はない。ああ、おつむの緩んでしまった可哀想なおじいさんなんだね、と。自嘲の風味で書いてみたけれど、これが世の目に映る我が姿の真実なのかもしれむ。そう思うと、情けないような、やけくそで自慢したいような。
 肌寒さ故に膝が痛み出し、早々に引き上げる。昼飯代わりに買い置きの心太を食して、ごろり。師匠にお借りしている『アリーナ』をかけて昼寝でござる。昼寝に最適、などというと、失礼かもしれないが、いやいや、この静けき美しさは、聴いて良し、寝て良し、聞き流して良し、という具合。巫山戯ているのではなく、真実、そう思うのですぞ。
 午後になって起き出してみたら、何だい、気温が上がってきているね。晴れ間も多くなったようである。けれども、こんな時間になってしまっては、鶯の鳴き声を収めようと言っても無理な相談。ぼろ庭で耳を傾けても、やはり。遠くで鴉の声がするばかり。明日があるさ、と言いたいところだけれど、明日も未だ鶯が現れるや否や。いやいや、鶯ばかりが鳥じゃない、と申し上げた筈。兎にも角にも、明朝、晴れることを祈念しつつ、杯を傾ける。それにしても、何ともぱっとしない一日であることよ。

花冷えの 雲の切れ間に 鴉のかあ

投稿者 nasuhiko : 2005年04月22日 18:44

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