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2005年04月10日

icon馬の油4


 彼此一ヶ月以上もソンバーユなるものを使用している。左手にだけ塗るという件の成果だけれど、その後、大きな変化はない。左手の方が右手よりはすべすべしてきているのは明らかなので、この実験は終わりにして、今日からは両手に塗っていくことにしよう。どうせなら、両手すべすべの方が良いに決まっておる、誰かが私の手に触れるということなどないとはいえ。
 さて、肝心の、おでこの痒みの件である。これが一進一退といった印象なのだけれど、総じて眺めれば快方に向かっているようである。このソンバーユは天然の馬の油だけなのであって、化学薬品などは入っていないようだから、効果が緩やかなのは仕方がないだろう。というより、ステロイドなどの化学の力ずくの方法論に恐れをなして、漢方だの、天然だの、と言い出したわけで、この緩やかさが躰に良いのだと信じたい。まあ、命に関わるような問題でもないし、痒くて痒くてどうにもこうにも辛抱ならん、というような状態は脱しているので、じわじわと治ってくれれば良い
のである。このまま続けてみようと思う。
 馬の油が良いですよ、とすすめて下さった方に教えていただいた本によると、それこそ何にでも効きそうなことが書かれている。あまりに何にでも効くように書かれ過ぎているので、些か胡散臭い気がしなくもないけれど、付け過ぎたからといって害がありそうもないので、老体実験を繰り返しましょうぞ。インフルエンザにやられてから、前にも況して膝の調子が宜しくない。そりゃねえ、七十年以上も使い込んでいるわけで、老朽化が甚だしいのは仕方ないのだが、折角だから、膝にもソンバーユを塗ってみようという気になった。塗り心地も良いし、塗って悪いということはないだろう。病は気からというのだから、気休めになりさえすれば、それも一つの薬効と言えなくもない。
 ふと考えるに、近頃じゃあ健康のことばかり、気にしているようで、厭になりますな。中年と称されるような歳になってから以降、友人たちが寄ると集まると、体調不良比べ、病気自慢を始めるようになった。何処にでもある光景だろう。そんなことを繰り返しているうちに、自らの、少しずつ自由を失っていく、病体や老体に慣れてくる、という効果もあるのだろうけれど……。
 老い耄れ老い耄れと、自嘲を気取った気持ちも少しはあったのだけれど、冷静に考えてみれば、文字通り、故障だらけの老体なのですよ。くさくさしますな。躰が弱ると、心が弱る。心が弱ると、ますます躰が弱る。ますます躰が弱ると、ますますますます心が弱る……という、悪循環に陥っておるじじいであります。

投稿者 nasuhiko : 2005年04月10日 20:18

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