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2005年04月05日
のんびりと振り返る
二十七日の朝、羽生先生と山崎青年の決勝戦の再放送を前に、早々と起き出して、雑事を済ませ、羽生扇子を片手にテレビの前に座していたところ、少々、熱っぽい気がする。騒ぐほどのことではあるまいな、と思いながらも、手近にあった体温計で計ってみたところ、三十六度五分。私の平熱は三十五度八分か九分といったところだから、成程、微熱がある状態だ。けれども、そんなことをいちいち気にしていても仕方がないので、声援に励む。先週見た通りに、山崎青年は早い段階からどんどん時間を費やしてしまって、敵方である筈の、私さえ心配になるほど。そうは言っても、神風を吹かす応援の手を緩める訳にはゆかぬ。熱っぽいもので、扇子で煽ぐと妙にすうすうして気持ちが良いのを幸いに、いつにも況して、振り回す。しかしながら、よくよく考えてみれば、これは地震で放送が途切れてしまった分の再放送なのであるからして、私がいくら煽ごうとも勝負の行方に影響があるわけなどないのである。ないのであるけれども、そんなことを言ってられないのが、馬鹿なところ、というのか、あるいは、自己弁護するならば、純情なところ。一所懸命、風や吹け吹けと、右へ左へ扇子を揺らす。山崎くんよ、残念だったなあ、もう時間の問題でしょうなあ、と思いながら、一休みして一杯やったりしてね。また、思い出したように扇子を振り回したり、と、余裕を見せておったわけである。ところが、何たることか、終盤になって、突如として、羽生先生の旗色が悪くなった。慌てて、杯を置いて、力の限りに神風を起こそうとしたものの、時既に遅し。再放送を考慮に入れれば、まるまる一週間以上遅い。兎にも角にも、残念ながら、逆転負けを喫し、NHK杯は少年の手に渡ったのであった。敵ながら天晴れ。山崎時代もそう遠くないかもしれない。いやいや、渡辺くんだっているのであった。将棋界は新しい才能がどんどん出現して、安泰ですなあ。
羽生先生が負けて気落ちしたこともあるし、応援に力を入れ過ぎたのもるし、ますます熱っぽい気がしてきて、再度、熱を計ると、何と、三十七度四分。あわわわ、これは大変だ。風邪に違いない。悪化する前に大人しく寝た方が良い。とは、思うものの、NHK杯の、女流棋士のたった一人だけの出場権をかけた清水さんと中井さんの試合を午後から放送する、と知らされ、それを見てからでも良かろう、という気になる。まあ、一時間ほどあるから、と、買い置きの乾麺で笊蕎麦をのたくたと拵えて、つるっとやって、ついでに澤乃井を嘗める。蕎麦と酒、良いものですなあ。日本に生まれて良かった。などと、調子に乗っているうちに、放送が始まる。ところが、この辺りから記憶が目茶苦茶になってきてしまう。熱と酔いとでね。白状すると、試合の結果もわからないほど。兎にも角にも、最後の明確な記憶は、女流戦の終了後、体温計が三十九度五分を指していたことだけである。躊躇なく、床につきましたよ。床についたのですが、時既に遅かったわけですな。
投稿者 nasuhiko : 2005年04月05日 19:23
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