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2005年03月10日

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 朝から繰り返し聴いているこの『フラワーズ・オブ・ロマンス』も久下ちゃんのアルバムも、どんどんどこどこ、どこどこどんどん、と、どちらも力強い太鼓が推進力になっているのは同じである。けれども、届いてくるものは大きく異なるのですな。どちらが良い悪いというようなことではなく、端的に、異なる。別物。別世界。
 久下ちゃんの方は、大きに肉感的なものですな。場を同じくしているわけではなく、ただ音響機器を通じて耳にしているだけの私も、思わず参加したい、と、そう思わずにはいられぬような代物。事実、箸で皿を叩いて騒ぐことも屡々。尤も、それは多分に酔いのせいでもありましょうが。
 それに対して、この『ロマンスの花々』の方は、騒がしいのは精神だけ、とでも言うのが良いのだろうか。肉体で接しようと、試しに、珍妙な歌声に合わせて、ああああ、あうあう、などと唸ってみたが、どうもしっくり来ない。唸るより、目を閉じて、心を解き放ち、音と唄声に従って、宇宙をあちらこちらへとさ迷うのが宜しかろう。空想の世界でなら、いくら徘徊したところで誰に迷惑かけるでなし。

 ううむ、それにしても、熟、音楽の世界を言葉で説明するのは難しい。尤も、私の如き素人が……しかも、時代とは遠く隔たった世界の片隅に存する老い耄れた素人が……ああだこうだと語ろうとしていること自体に無理がある。笑止千万。笑止億兆。余計な小理屈を、ずるずるだらだら、ああでもないこうでもない、と書き連ねるより、がんがんずんずん呑んで呑んで呑んだくれて、酔いと音に身を任せるべきなのである。

 堂々巡りの無駄な思索と杯を重ねていたら、良い具合に酔ってきた。おお、そこを行くのはちび公殿ではありませんか。今、蒲鉾を差し上げますぞ。君ら、猫族にとっては、音楽てえものはどうなんだろうね。こういう太鼓のどんどこはどうだい。え、悪くないだろうよ。何々、鈴廣の蒲鉾にはかなわないと申されますか。御尤も、そりゃそうだ。どれどれ、もう一切れお食べなさい。太鼓も良いけれど、鈴廣も良いですな。肴が良いと、澄み切った酒が益々美味い。いや、結構、結構、余は満足じゃ、ふはふは。

パブリック・イメージ・リミテッドの『The Flowers of Romance』 久下惠生の『A Very-Disco Golden Greats of Kuge Yoshio

投稿者 nasuhiko : 2005年03月10日 19:26

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