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2005年03月24日
CD46枚分4
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未だ未だ『ご存じ古今東西噺家紳士録』に嵌まっている老耄である。朝起きて、あれこれと雑事を片付けて一段落したところで、マックの前に座って、このCDを弄るところからその日が始まる、というような有り様である。今朝は末廣で扇好が演じていた「寄合酒」を五代目の圓生、つまり、私が慣れ親しんだ圓生ではなく、その義理のお父さんに当たる先代の圓生のものを聴いた。軽快な語り口である。デブの圓生と呼ばれていたとあり、実際、写真を眺めるとかなりふくよかな顔をしている。けれども、声は軽やかで正に立板に水という勢い。さーっと流れるように進んで気持ちが良い。昭和初期の録音だと書かれているけれど、そんなものが聴けるなんざ、文明の有り難みにつくづく感じ入りますなあ。しかし、こうなると、生きている方は溜まったもんじゃない。先日の扇好青年(あるいは、中年)の「寄合酒」だって決して悪くなかった。なかなか結構なものでしたとも。寧ろ、大きに誉めたいぐらいである。誉めたいぐらいだったけれども、今、こうして、七、八十年前のものを聴いてみて、どちらが勝っているだろうか、と考えると、ううむ、難しいですな。これからの噺家は大変だ。同時代を生きる、同輩と比較され、先輩や後輩連中と比較され、そればかりでなく、彼ら自身、見たことも聞いたこともない大昔の人々とさえ比較されてしまうのであるから。尤も、お蔭で、勉強の機会が増える、ということも言えますな。ちょいと前なら、師匠に稽古を付けてもらったものを身に付けていくばかりだったろうけれど、今では、一つの話を色々なCDで繰り返し聞き比べたりすることもできるわけで、あれこれ研究して一番自分が良いと思う形を作っていくことが可能になっている、とも言える。尤も、情報が多ければ多いほど良いのか、というと、そうとも限らないでしょうな。余計な雑音に振り回されて、いつになっても何が自分に合っているのか、自分は何を目指しているのか、右往左往するばかりだということだってあるやもしれぬ。難しいですなあ。確かなことは、私のように、楽しむ側にとっては、こんな便利なCDというものがあるのは実に有り難い、ということでござんしょう。いやあ、長生きはしてみるものであります。
投稿者 nasuhiko : 2005年03月24日 19:20
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