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2005年03月21日

iconCD46枚分3


 すっかり『ご存じ古今東西噺家紳士録』に嵌まっている老耄である。いやあ、これは素晴らしい代物だ。昼前から、マックの前に腰を下ろして、澤乃井を茶碗で引っ掛けながら、この中に入っている落語を順繰りに聴いたり、経歴を読んでみたり、師匠や兄弟弟子を眺めたりしていると、あっという間に時が経つ。便利で楽しい道具ですなあ。
 CDというものが普及し始めたことのは二十年程前だろうか。出始めの頃は機械も高いし、CDそのものも高いし、レコードに比べて見てくれが何とも味気ないし、何だか気が乗らないね、などと思ったのだけれど、何だ彼んだ言って、そう遅くならぬ内に購入してしまった口である。実は大きな感興は湧かなかったけれど、静かなクラシックを聴く場合に限ってはノイズが少ないという効果の程は歴然であった。けれども、何だか、全体にしゃりしゃりしていて耳馴染まぬような気がしたのも事実である。それで、暫くはCDは買わずにレコードに舞い戻っていたのだが、世間の流行りに押されて、じわじわと移行が進んだとでも言うべきか、ここ十数年は当たり前のようにCDを買い、当たり前のように聴いている。実を申すと、心の何処か奥底に、今でも何となくデジタル嫌いが残っている。要するに、音楽を滑らかな坂道ではなく、階段みたように処理されているとは、何とも理不尽な気がするのである。段と段との間にあったものは何処へ行ってしまうのか、と。まあ、この老い耄れた耳でそのような微細な差異を聞き分けられる筈もないのですがね。考えてみれば、田村師匠など、端からマックで音楽を作っている訳だから、全てがデジタルなのですな。元から階段であるのなら、それはそれで構わないのか。ううむ、何だか訳が判らなくなってきた。無理して無い智慧を絞るからこんなことになるのである。デジタルの問題は放っておこう。

 さて、コンピューターのCDですが、凄いですな。理屈はわからないけれども、兎にも角にも、これだけの膨大な情報がこの一枚のぴかぴかした板切れに収まっているかと思うと、正に隔世の感。SFの世界の話のようである。猫に化けた火星人の一団が、密かにペンタゴンやクレムリンに侵入して、機密情報をCD一枚に収めて持ち帰ろうとする。しかし、彼奴等の宇宙船が地球から脱出しようとするところ、ああ、間一髪、この時ばかりは東西の壁を越えて地球を守る為に手を取り合った地球連合軍が追い縋る。頑張れ、地球連合軍。手を取り合って。猫に化けた火星スパイの軍団を逃してはなりませぬぞ。いざ、いざ、いざ。

投稿者 nasuhiko : 2005年03月21日 19:06

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