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2005年02月17日
サイレンがやってきて
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夕方になって、喧しいサイレントともに、この近所にパトカーだか救急車だかがやってきたようである。それにしても、何だって、あのサイレンてえやつは人心を不安に陥れるような音をたてるのだろうね。弥次馬根性というわけではないのだが……いや、やはり、弥次馬根性からなのだろう……窓から覗くと、全貌は見えないものの、赤い点滅が夕景に溶け込めずにじたばたしている。サイレンの音も然る事ながら、赤色灯の点滅というやつも人々を脅かす効果満点だ。自分に負い目があるわけでもなく、頭の捩子が緩んでいるものの躰に具合が悪いところがあるわけでもないのに、何故だか、赤い点滅とサイレンの咆哮の攻撃で、胸の奥がざわざわと苦しくなるような気がする。パトロール・カーに関しては、その役割からして微妙なところかもしれないが、病人、怪我人、その家族にもう少し優しい救急車を用意できないものだろうか。辛うじて持ち堪えていた心臓が、あの音と光に圧迫されて止まってしまった、なんてことはないのだろうか。
我が身に直接は関係ないこととはいえ、あれこれ考えていたら、心の蔵がぐぐっと締め付けられるような気がして息苦しく、厭な心持ちである。こんなことではいかん、と、また、澤乃井に頼る呑んだくれのこんこんちきちきである。久下くんの太鼓をつまみにやりますか。おお、良いですなあ。コンコンチキチキ。良いよ、良いよ、久下くんよ。チキチキコンコーンッ、ご機嫌だね。
弥次馬根性というわけではないのだが……って、弥次馬根性丸出しだよ、この老いぼれは……窓から覗いてみると、未だに赤い点滅が続いている。かれこれ三、四十分経ったのではなかろうか。一体、何をやっているのだろうね。大丈夫かね。気になりますな。まあ、この、余所様のことが気になる心情を弥次馬根性って言うんですよ。莫迦なじじいだね、全く。赤い点滅と、久下くんのドラム、絶妙の組み合わせだ。そこに酔いが加わって、良い調子になってきた。コンコンチキチキ、チキチキコンコーンッ。コンコンチキチキ、チキチキコンコーンッ。ああ、今日もまた酔っ払っちまいました。
投稿者 nasuhiko : 2005年02月17日 20:39
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