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2005年02月24日
千里の道も一歩から
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白状すると、バッハのインベンションには想像以上に苦しんでいる。苦しんでいるも何も、実際のところ、相当に滅茶滅茶の苦茶苦茶である。この歳になってから、独習でピアノに取り組もうというのだから、一筋縄では片付く筈のない苦労が待ちかまえているとは思っていたが、まさか、これ程だとは。ううむ。
デジカメを片手に近所をほっつき歩いているときに、どこからともなく、ピアノの音が聞こえてくることがある。曲も様々、演奏も様々。流れるようなショパンもあり、精密機械のように上下行を繰り返す練習曲もある。記憶が正しければあれはハノンだったろうか。流麗な「エリーゼのために」もあるし、稀にではあるが不協を重ねるような現代曲風のものが響くこともある。そうかと思えば、躓くようにえっちらおっちら進むバイエルもある。通りすがりに聞こえてくる演奏を耳にすると、なかなか上手ではありませんか、と思ったり、まだまだ練習が足りませんな、などと思ったりしたもの、ちょっと前までは。ところが、いざ、自分が練習を始めてみると、視点は百八十度転換した。他人様の演奏をあれこれ評価する立場になど立つわけには参りませぬ。素晴らしい演奏には敬服して頭を垂れ、拙い演奏には、そうだ、頑張れ、もう少しだ、と声にこそ出さねど応援する。立ち止まって、一曲弾き終わるまで陰ながら声援を送ることさえ屡々である。場合によっては、手に汗握る有り様。無事に演奏が終わった時には喝采を送りたい心持ちだが、それは遠慮している。家に帰ってから、祝杯だ。
ああ、私のインベンションはいつになれば少しは恰好がつくのだろうか。実は、まだ、最初の数小節を右手でぽろぽろぼろぼろと雨垂れのように不安定なリズムで、しかものろくさのろくさ奏するばかり。道は、道はあまりに遠い。いや、ここでへこたれてはいけない。千里の道も一歩から、と言うではないか。一音一音を積み重ねていけば、いつか、辿り着ける筈なのだ。尤も、此方人等の寿命との駆け競べみたいなところもありますがねえ。はは。
投稿者 nasuhiko : 2005年02月24日 19:05
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