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2005年02月22日

icon馬の油

 半月ほど前でしたかね、おでこのところが、何だか赤黒くなったような感じで、何とも彼んとも、堪え難い痒みに苦しんでいる、というようなことを書いた。西洋医学なんぞ、もう止めて、漢方に縋ろうか、というようなことで尻切れ蜻蛉になっていた。まあ、言ってみれば、年寄りのぼやきというか愚痴というべきか、孰れにしても、見苦しいことを書いたものであって、実にみともない話である。ありがたいことに、そんな呟きを気にかけて下さっている方がいらっしゃって、丁寧なメールを頂戴した。駄目かもしれませんけれど、という前置き付きで、馬の油というものを勧めて下すった。この老いぼれが朦朧とした脳みそで訳の判らない妄言を書き散らす、埒の明かない日記を読んで、御助言を戴けるのは全く以て幸せな話である。こんな干涸びた脳みそで、どうにかこうにか日々を過ごしておるわけで、新しい事はすっぱりと忘れ、古い事はどんよりとぼやけてくる。そんな曖昧な記憶を手前勝手に解釈したり繋ぎ替えたりしてしまって、頭の中は渾沌としていてね、放っておくと、どんどんどこどこ違うところに進んでいってしまう。そんなわけで、木澤くんの上さんだって、本来なら一キロで何千円もする味噌なんぞ買うわけはないのだけれど、どうした拍子かに、あんなことになってしまって……と、こんな具合に話が取っ散らかってしまうのが、老耄混乱脳みその特徴である。
 そういう話ではなく、馬の油というものが、万病に効果がある、という御助言の件。丁寧に書籍や馬の油製品のあれこれも記されてあった。メールというものは、コンピューターのきれいな活字で表示されるから、読み易いという利点があるものの、手書きの書簡の類に比べて人間味に欠けると思ったりすることもあるけれど、あれですな、活字になっていても、行間から滲み出るというのか、メールからでも人柄が窺えるもの。何はともあれ、ここは一つ、馬の油なるものを試してみることにいたしましょう。

 活字になっていても、人柄が滲み出る、というのは、考えてみれば、当たり前のことである。何しろ、百鬼園先生の御著書など、現代の仮名に直された文庫本であろうとも、そのさっぱりとした活字の紙面からでも、大きにその人柄が窺い知れようというもの。そう考えると、私の薄っぺらで歪んだ人柄も、この莫迦げた文面から、少なからず知れてしまうのでしょうなあ。恐ろしいことだ。世界中の人に、薄っぺらで歪んだ厭なじじいだと知られてしまうなんて。

投稿者 nasuhiko : 2005年02月22日 20:54

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