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2005年01月30日
ライヴハウスでギグ05
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ギグに当てられた知恵熱みたようなものは未だ冷めやらず。私は、めでたく、本日もヤング・アット・ハートなのであります。昨日は……いや、昨日も……呑み過ごしてしまい、口先ばかり威勢の良さで、結局は何もしなかったけれど、本日こそはと、勢い込んでいる。ピアノに挑戦しようと思うのである。武骨だが愛もあり、哀歓も諧謔もあるようなセロニアス・モンクを師と仰ぎ、指は震えようとも一音入魂の心意気で精進しようではないか、と。
マリが亡くなってからは、放ったらかしになっているピアノの覆いを退けてみると、部屋に埃が派手に舞い上がる。これはいかん、ということで、まずは掃除から始めることになる。彼女に勧められて、ピアノに触れたことも幾度かはあるけれど、その度に、すぐに挫折してしまった。というより、放棄したのである。なぜなら、私は自分が弾くよりは、マリの演奏を聴いていたかったから。私はブランデー・グラスを片手に、彼女がピアノを弾くのを眺めるのが好きだった。時々は鼻歌を交えたり、静かに唄ったりすることもあった。決して名人というわけではなかったし、レパートリーも限られていたし、ピアノは極当たり前のアップライトである。それでも、その部屋の中で過ごす私たちの時間は臆面もなく言うならば、なかなかに濃密で甘い時間だったのである。
ざっと埃をはたき、掃除機をかけ、一段落したところで、鍵盤に押してみる。ド、レ、ミと弾いてみるが、曇っている上に、どこかでびりびりと共鳴するような音がする。おまけに音程も滅茶苦茶である。調律の人を呼んでどうにかしなければならなかろうけれども、以前お付き合いしていた方がまだご健在で仕事をしておられるかどうか、些か心許ない。
孰れにせよ、今日のところは、この部屋を少しく掃除したことで満足して呑み始めることにしよう。マリの写真を前にして、今日は暫く振りにブランデーにいたそう。どこかにいただきものの、陶器に入ったカミュがしまい込んであるはずである。
投稿者 nasuhiko : 2005年01月30日 16:07
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