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2005年01月28日
ライヴハウスでギグ03
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昨日のギグというものに当たったとでもいうのだろうか。熱っぽく、躰はぐったりしていて、力が出ない。けれども、心は何だか浮き浮きしているのだから不思議なものである。例によって、最後の方はすっかり酒に飲まれて泥を踏む有り様でありったけれど、大いに楽しんだことだけは間違いない。私のような老爺に斯様な機会を与えてくれたこと、改めて、諸氏に感謝したい。ありがとう。
上野や渋谷、新宿などのコンサート・ホールでの演奏会を見たことは幾度でもあるし、あまり芳しい思い出ではないが、日本武道館でのコンサートにも行ったことがある。しかし、ギグというやつは、そういうものとは全く違うものなのですな。もしかすると、昨日の所が特殊なのかもしれないけれど、入場料があるにせよ、兎にも角にもプロフェッショナルっぽくないと申すべきか。お客さんと演奏する人との間に境界が殆どないのである。ついでに言えば、お店の人々ともあまり境界が不分明でありましたな。バーボンが空になって、どうしたものかと、おどおどきょろきょろしていたら、「同じのでいいの?」と通りすがりの若い女性がぞんざいに尋ねるので、声が出ず、首肯するばかりであった私である。「あいよ」と言って、私の手からビニールのコップを奪い取り、件の女性はカウンターの近くに進み出で、「奥のおじいちゃんがおかわりだって」と怒鳴って、前の方に消えていった。御代りのバーボンは、バケツ・リレー式に手渡しで運ばれてきて、円嬢が受け取ると同時に代金の六百円を渡す。すると、また、そのお金が人の手を順繰りに渡り、カウンターへ。何ともおかしな光景であった。みなの動作、対応があまりに自然であったことを考えると、珍しく感じたのは私だけだったのかもしれないが。
暫くして、最初の演目が始まったのであったが、先程の些か粗暴な口振りながら親切にバーボンを注文してくれた女性もその中にいた。店の人でも、客でもなく、出演者だったのである。高さ十五センチほどのステージとも呼び難い板の上にいるだけなのに、別の世界の住人であるかのように思える。そこにあっては、ぞんざいな彼女が甚く眩しかった。もっとも、彼女たちの演し物は笑い所のわからない、見ているこちらにとってはあまり居心地の良いものではなかったけれど。
宵に酔い よいよいの爺 良い夢を
夜明かし過ごし 余韻嫋々
つい先達て、駄洒落混じりの句は止します、と宣言したばかりであったが、考えてみれば、駄洒落だとて立派な日本語文化の一端を成すものである。誰に恥じることがあろうぞ……そう開き直る老いぼれである。
投稿者 nasuhiko : 2005年01月28日 20:54
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