2004年12月31日
暮れる
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うちの前だけ雪が残っているというのも世間の手前云々、などと思ったのが、間違いだった。竹箒でざざざざざざざざ雪を掃き散らしただけなのだが、腰は痛いし、咽も搦む。風邪の引き始めのような嫌な予感。こんな具合に、締まりのないまま、今年も暮れようとしている。
家内が亡くなってからは、大掃除などしなくなってしまった。もっとも、していた頃だって、やいのやいの言われるから、仕方なしに手伝っていただけのことである。
職があるわけではないので、仕事や年度の区切りなどというものもない。考えてみれば、特別な催しがあるわけではなし、年々、暮れや正月といったものの味が薄くなってきてる。年が明ければ、賀状の返事書きというものがあるけれど、それぐらいのものか。店を閉めているところが多かろうと、咽を干さぬことなきよう、食べ物の買い置きを多めにする、ということはある。万が一、訪問客がないとも断言はできないので、酒やつまみや茶菓子の類も少しは用意する。もっとも、稀に来る客は心得ていて、酒瓶をぶら下げて現れるものである。
耄碌した頭で一年を振り返っても、何となくもこもこしていて、判然としない。齢を重ねて記憶や思考回路があやふやになることにもそれなりの意味があるのだ。つまり、思い出せない、という有り難き恩恵である。ろくなことなどあったはずがないのだから。酷い失敗をいっぱい仕出かしているに違いないのだから。毎年毎年、友人知人との別れがあるのだから。思い出せない、ということは、そういうありがたいものなのである。
暮れはまだいいけれど、正月には寂しさが募るだろう。人付き合いは苦手な私だが、正月ばかりは誰か遊びに来ないかいな、などと思ったりもする。ああ、情けなや。結局、昼間から酒を呑むばかりと相成り、泥酔して日を過ごす。そういう今日も既に大分呑んでおります、あやふやな脳をアルコールに浸してますますあやふやにしながら。
友のなき 杯軽く 暮れ早し
投稿者 nasuhiko : 2004年12月31日 18:02
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