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2004年12月19日
恵子くん来訪03
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恵子くんの訃報に打たれ、昨晩は胸苦しくなかなか眠ることができなかった。眠るためだから、と呪文のように唱えながら、澤乃井を注いでは干し注いでは干し注いでは干し。酒の力というよりも、力尽きて、いつの間にか眠りに落ちた。
目覚めると、訃報に圧される苦しみと宿酔の苦しみとが重なり合い、悲しさと気持ち悪さとが綯い交ぜの何とも遣る瀬のない鬱屈した気分。床の中でぐずぐずしているうちに午後になってしまった。
のそのそと起き出して、恵子くんのこと、さらに、もっと前に亡くなってしまった良男くんのことを思い出す。どんどん負の方向に針が振れ、終いにはマリの死を悼み、涙が零れる。マリよ、マリよ。
省みると、昨日の木澤くんへの非礼に目の前が暗くなる思い。胸の奥が痛い。私というじじいはこんなに齢を重ねても、未だに幼児並に堪え性のない困った人間だということをつくづく思い知る。動転して、電話を、それこそ、叩き切るようにしたわけであるけれど、冷静になればニハトリでもわかるように、木澤くんには全く罪はない。罪がないどころか、私の如き我儘で満足に人付き合いもできぬような老耄の人間に思い遣りの手を差し伸べてくれたのであるからして、感謝されこそすれ怒られるべきことなど何もない。申し訳ない。恥ずかしい人間だ、私は。こうして、七十年以上も生きてきたのかと考えると、それは正に生き恥の歴史ではないのか。そして、その恥ずかしさや胸苦しさ、悲しみや悼みの何もかもを少しでもいいから、念頭から引き離したいがために、酒に溺れる。何と愚かな、何と愚かな人間なのか。だが、しかし、そう思いながらも、酒を呑まずにはいられない。呑まずにはいられないのである。
悼惜の杯受けよ 枯木立
投稿者 nasuhiko : 2004年12月19日 09:15
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